バティスト・クザン - Baptiste Cousin - [ ロワール地方 アンジュ ]

   

“Baptiste

人と人がつながり、自然と生きる。ナチュラルワインの次世代を担うつくり手

「家族がいる。仲間がいる。日々を共にする人たちがいる。人と人との繋がりを、何よりも大切にしている。どんなに一生懸命向き合っても、自然はいつも何かを返してくれるわけじゃない。その年が美味しくても、次の年がそうとは限らない。それでもぼくは、最後まで手作業、手づくりのワインをつくりたいんだ。」バティストはそう話してくれました。彼の父はオリヴィエ・クザン。説明するまでもなく、フランス中を見渡しても類を見ないほど、気骨と誇りを持ったナチュラルワインのつくり手です。美味しいワインをつくる...それ以上に、ワインを通して「どう生きるか」を体現してきた人。時には一人で船を出し、海外へワインを届け、AOC(アペラシオン・オリジン・コントローレ)を「AOC=Appellation Olivier Cousin」と書いて裁判になったときも、2頭の愛馬を連れて堂々と裁判所に現れました。初めてオリヴィエを訪問した時に「おれのワインは女や子どものためじゃない。男のためのワインだ。」そう言って飲ませてくれた彼の生き様、ワインの野性味と力強さを今でも忘れられません。そんなオリヴィエは、いつもバティストに「人を大切にしろ」「人と歩め」と語り続けてきたそうです。その精神は、確かにバティストの中に宿っています。1986年生まれのバティスト。2012年に父から畑を譲り受け、ワインづくりを始めました。砂地のグロロー・ノワール78アール、ガメイ26アール。 粘土とシルトが混じる土壌にはグロロー・グリとシュナン・ブランを86アール。2008年には粘土石灰質の区画にカベルネ・フランを植樹しました。彼の住むマルティニェ=ブリアン(Martigné-Briand)は、多様なテロワールに恵まれ、それぞれに合う品種を見極めて植えられているそうです。グロロー・ノワールとガメイの畑は、11代にわたり受け継がれてきた土地。曽祖父の代は農薬がなく、祖父の代にはワインづくりをせず、父オリヴィエは常に自然と向き合う畑仕事をしてきて、今日まで農薬が使われたことのない畑です。2018年には、村の中で30年ものあいだ誰にも使われず、壁も屋根も崩れかけていた古いシャトーを購入しました。家族と仲間の手で少しずつ修復し、いまは家とカーヴとして息を吹き返しました。そして、バティストを語るうえで欠かせないのが、彼の親友であり同志でもあるフランソワ・サン・ロ。2012年の収穫で出会い、フランソワが怪我をしてバティストの家で過ごしていた時期、バティストの家族と共に過ごした日々の中で、深い絆が生まれました。時を同じくしてワインづくりを始めた二人は、ただの仲の良い友人というだけでなく、ロワールのナチュラルワインに新しい時代をもたらす存在だと感じています。オリヴィエが示した「人と自然と共に生きる」という哲学を受け継ぎながら、それぞれの個性と感性で、自由で新しい風を吹かせています。バティストは、オリヴィエの哲学を受け継ぎながらも、彼の厳しさの奥にあるやさしさをしっかり感じ取り、まっすぐで澄んだ心のまま、少年のような大人になったと感じています。仲間や家族と笑い合いながら、自由に誠実に畑と向き合う姿からは、彼のピュアで明るい人柄がにじみ出ています。

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