ジャン・イヴ・ペロン - Jean-Yves Peron - [ サヴォワ地方 アルベールヴィル ]

- 二番通り酒店 -

“ジャン・イヴ・ペロン”

サヴォワの山奥、孤高のアーティストが届けてくれた体験に満ちた液体

サヴォワ地方、アルベールヴィルは美しい山々に囲まれた標高300m以上にある美しい街です。1992年には冬季オリンピックが開催された街でもあります。美しい街を横切り、さらに標高高くへ坂道を登っていくとジャン・イヴ・ペロンのカーヴがあります。ログハウスのような大きなカーヴは2017年に建設された新しいカーヴです。彼の畑はアルベールヴィルとそこから30kmほど離れたフレトゥリーヴの標高350〜550mにあります。自身の畑は1.5haほど。近隣のサヴォワの生産者からブドウを購入して少ない生産量を補っています。さらに2017年には国境を越えたイタリアのピオモンテ州アスティの2人の生産者からブドウを購入できることになりました。他の生産者の誰とも違う、ジャン・イヴの独特の目線、感覚を持ってつくられるワインはアーティスティックでいてワインが訴えかけてくるような力強いアイデンティティ満ちた味わいです。テイスティング中にそれぞれの品種の樹齢や土壌、気候を分析して、そのブドウのポテンシャル、土地のテロワールを引き出すために考えうる最善の醸造方法を模索して私たちに説明してくれる姿は、まるで知識を深め経験を積み重ねることに夢中になる博士のようにも感じ、私たちもハッとさせられるような発想と感覚を持ってブドウと向き合う姿は芸術家のようですらあります。初ミレジムは2011年。その前はティエリー・アルマンやブリュノ・シュレールの元でワインつくりを学びました。ワインつくりに対する哲学は最小限の人の手の介入、そして彼らしいのが全房100%でマセラシオンすることへのこだわり。すべてのワインが1週間以上、長い時は6ヶ月にわたってマセラシオンされます。「除硬したワインには何かが足りないと感じている。それは骨格が失われてしまうんだと思うんだ。ただ1年マセラシオンをしたこともあるけど、それは少し難しいと思う。」とジャン・イヴ。前述の2017年から始めたピオモンテのブドウをつかった"i Vinci"シリーズはいまジャン・イヴのワインつくりに大きな広がりを与えているようです。違う品種、気候、テロワールに触れ、彼のワインつくりへの想像力がより掻き立てられ、彼の目から子供のようないつまででも向き合い楽しんでいられるような好奇心を感じます。彼の元を訪問する時は一日を彼のためだけに開けておかないといけないほどドメーヌにたどり着くまでの距離も遠く、テイスティングもとても長いです。そんな会いにいくのも一苦労な山奥で、孤高のアーティストのようなジャン・イヴが生み出す、圧倒的にオリジナルでいてしっかりとミネラルが通ったワイン。体験に近い感覚すら覚えさせてくれる心の震えるような味わいです。

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