ル・トン・ルトルヴェ - Le Temps Retrouvé -  [ ルスィオン地方 コリウール ]

- 二番通り酒店 -

“ル・トン・ルトルヴェ

見出された時...熱い情熱と家族愛。ナチュラルワインが灯す未来の一つが彼らの生き方の中に。

小さな背丈に凛とした瞳、そしてハンチング帽子がトレードマークのミカエル・ジョルジェ。11歳という幼い頃からブドウ畑で働いてきました。10代半ばでサンセールのピエール・プリウールなどで研鑽を積み、この時すでにビオディナミにも関心を持っていました。ブドウ畑で働き始めて間もない時から、自分でドメーヌを立ち上げるという強い決意を持ち、その目標に向かって常に突き進んできました。2006年にはアルザスのドメーヌ・マルタン・シャッゼルでワイン造りを学びます。マルタン・シャッゼルは1980年代から長らく自然農法を実践してきたドメーヌ。ミカエルはここで働きながら自分でもブドウだけでなく色々な作物を育てながら「畑仕事」の大切さをより具体的に学んだそうです。そしてこのピレネーに抱かれた土地に足を踏み入れたのは2009年のこと。とあるドメーヌの手伝いに訪れたのがきっかけでした。この土地の風土や品種を観察する中で、この場所でドメーヌを立ち上げようと決意しました。ただいざドメーヌを立ち上げると言っても、畑を見つけ、カーヴ、醸造設備、自分たちの住む家探しなどを考えた時に、決して簡単ではないドメーヌの立ち上げ。そんな中で偶然にも後継者のいないドメーヌに出会いました。主人を失ってから放置されていた畑に植えられているのは全てヴィエイユ・ヴィーニュのカリニャン、グルナッシュ、シラー、ムーヴェドル、マカブーなど。幸運にも、このドメーヌには使われていないカーヴもありました。古くから使われたカーヴには、使われなくなった農具や醸造道具、古い家具も残っていました。後継者を失った古いドメーヌの止まった時間がミカエルの夢とともにもう一度動き始める...ル・トン・ルトルヴェ(見出された時)。ドメーヌ名の背景にもなっています。醸造所にある梁や樽は400年前のものも。アルザスのように多様な品種があるこの地方で、ミカエルはそれぞれのセパージュ(品種)の特性とテロワールを大切にしています。亜硫酸無添加、ノンフィルターで瓶詰もすべて重力のみで行っています。情熱家で、畑仕事の事となると熱く語りだし止まらないミカエル。その知識と幼い頃からの経験はベテラン生産者すら驚くほどです。この知識とエネルギーがあってこその彼のワイン。畑は愛馬のゴリアットと一緒に耕し、自然循環を大切するためビオの肥料を自分で造り、オリーブを植え、畑で蜂蜜を造っています。「葡萄を信じてる」と彼の言葉。そして彼のドメーヌのもう一つの魅力は家族愛にあると感じています。常に明るくハツラツとした奥さんのセリーヌとはミカエルが10歳の時に出会いました。セリーヌはその明るく陽気な立ち振る舞いの奥に、常にミカエルへの強い信頼を感じます。そして二人の子供たち、ラファエルとラシェルは幼い頃から畑やカーヴで家族とともに過ごし、優しくまっすぐな眼差しの素直な子供に育っています。ナチュラルなワイン造りを通して、自然と向き合うことを通して、家族の在り方や子供たちの未来にまで訴えかけるドメーヌです。ナチュラルワインが灯す未来の一つの姿が彼らの生き方の中にあると感じています。

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